There and Back
プログレ好きでJeff Beckも好き、という方は多いと思います。
学生時代に友人が貸してくれたレコードの一つがJeff Beckの“There and Back”でした。
このアルバムがリリースされた当時(1980年)はクロスオーバーサウンド(ジャズとロックの融合)というのが流行っており、本アルバムではBeck氏もその流れを上手く取り入れています。
しかし当時のロックを聴き始めた高校生にとっては、なんだかロック然としないサウンド、40分足らずのアルバム演奏時間、そして何よりも歌が入っていない(!)ことに違和感を感じてしまい、これで2,500円の価値はあるのだろうか、などと思ったものです。
しかしながら、今ではJeff Beckの最も好きなアルバムであります。
話は逸れますが、別の友人が、「Jeff Beckは弾くたびにフレーズが変わる」と言っていて、当時その意味がよく分からず、一曲の中の一番と二番のフレーズを聴き比べたりしてました。。
“There and Back”に話を戻します。
オープニングに相応しい一曲目の"Star Sycle"は、結構好きで聴いていました。
キーボーディストのJan Hammer氏によるドラムが印象的で、8分のウラ、16分のウラに入れるスネア(しかもチャイナっぽい音を重ねている?)はクセになります。
最後の部分のギターとキーボードの掛け合いが良いですよね!
アルバム最後の3曲の流れは圧巻です。
6曲目“The Golden Road”はSimon Phillips氏の静かに盛り上げてゆくドラムが素晴らしく、聴いているとアツくなります。
そして7曲目の“Space Boogie”は呆気に取られるほど凄い曲です。
後世に伝承されていくべき曲でしょう。
Phillips氏の高速ツーバスドカドカサウンドが全編を覆っていますが、ドカドカ踏みながら途中でピアニシモまで音量を落としたり、超絶技巧のフィルインを披露したりと、息をつく暇がありません。
Simon Phillips氏未だ20代前半ですぜ…
曲の後半は7拍子で進んでゆくのですが、ドラムもギターも随所に変態的フレーズを挟み込んできて、良く拍子を見失わないものだなと思ってしまいます。
そして、アルバム最後を締めくくるのは“The Final Peace”。
キーボーディストのTony Hymas氏とBeck氏のデュオとなる、ドラムレスの曲で、私がJeff Beckの曲で最も好きな曲です。
この曲を、Crimsonの“Starless”の後にかけて欲しいですね…
Youtubeにこの曲のライブ演奏の映像が上がっているのを聴いたことがありますが、しっかり作曲された曲のようです。
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