Projekct One

Projekct Oneとは、No composed materials、No rehearsals(だったっけ?)を標榜して、当時のCrimsonメンバーの4/6名(Robert Fripp氏、Bill Bruford氏、Tony Levin氏、Trey Gunn氏)によってロンドンのJazz Cafeで1997年12月1日から4日間連続で行われたギグです。
1973~74年のKing Crimsonのギグでは1ステあたり2曲行われていた即興曲ですが、それのみでギグを行うという、非常にミュージシャンシップに溢れた、ある意味苦行のような試みでもあります。
このProjekct OneがBruford氏とFripp氏との最後のセッションであり、Fripp氏は次世代のCrimsonでエレドラの使用をオファーしていたとのことですが、皮肉なことにBruford氏がエレドラを一切排除しフルアコースティックのセットに戻した最初のセッションでもあります。

1993年にリリースされたKing Crimsonの1973~74年時代の4枚組ライブアルバム“The Great Deceiver”はディープなCrimsonファンを狂喜させました。
画期的だったのは、既存の作曲された曲の様々な別バージョンが聴けること、“Dr Diamond”のような未発表曲が聴けることもあったのでしょうが、何よりも数々の即興演奏曲が、最高の音質で、始まりがあり、終わりがあることを聴けたことであると個人的に思っています。
そんな“The Great Deceiver”をこよなく愛聴するディープなCrimsonファンにとって、Projekct Oneは最高の贈り物であったと思います。
私はロンドンまで足を運ぶことが出来ませんでしたので、ライブアルバムがリリースされるのをじっと待っておりました。
アルバム“Live at the Jazz Cafe”は1999年にリリースされ、そこには珠玉の即興演奏の数々が収められており、1973~74年のそれとは異なるアプローチの演奏もあって、感動はしたのですが、何か釈然としない…
「何で始まりと終わりがスポイルされている曲が多いのか…そこを聞きたいのに…」
と思ってしまいました。
「4日間もギグをやって、1時間足らずか…きっともっと良い演奏もしているだろうな…」
とも…
なので、DGM Live!で4日間のフルコンサートの音源がアップされていることを遅まきながら知った時は狂喜乱舞してしまいました。
「ベストアルバムがCD2枚分は作れそうだな…」
また、“Live at the Jazz Cafe”はどの曲もかなりエディットされていて、実際の演奏とは異なる始まり方をした曲もありました。。

今後、このP1の気に入った曲、場面についてレビューしていきたいと思います。

おまけ:
P1のギグの始まりは恐らくFrippertronicsであり、オーディエンスは他のメンバー登場までの間、氏の演奏を楽しんだものと思われます…
Jazz Cafeでのギグは2部構成で、2部の最後の曲はFripp氏の渦の音で終了する…(例外的に3日目の1部の最後も渦で終了)

Posted by Progres シブ夫